テレワーク環境が新入社員の職場適応に与える影響
  • 更新:2023.05.19
  • 投稿:2022.11.25

テレワーク環境が新入社員の職場適応に与える影響

研究レポートの要約

 新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、株式会社セプテーニ・ホールディングスでは2020年2月下旬より全社的なテレワーク体制への移行が進められた。これにより、20卒新入社員(2020年3月卒業、同4月入社)は4月の入社から8月31日現在まで、一度もオフィスに出社せずにテレワーク環境下で業務遂行を継続する者が大半を占め、例年とは全く異なる環境下での職場適応が求められている。そこで今回のレポートでは、全社的なテレワーク環境への移行によって職場に適応しやすい新入社員の特徴が従来と変化したのかについて、個々の環境適応度を目的変数、入社年度(全社テレワーク導入以前入社または20卒)とパーソナリティ因子を説明変数とし、分散分析を通して検証を実施した。検証の結果、分析的で、論理性を重視する思考特性をもつパーソナリティとテレワーク環境の組み合わせが、高い環境適応度合いに関連していることが確認された。これらの結果をもとに、考えられる要因や今後の対策等についての考察を行った。

研究背景

 新型コロナウイルスの世界的な蔓延は、現在進行形であらゆるビジネス領域に多大な影響を及ぼしている。当然のことながら人材育成や人々の働き方といった領域もこれにより大きな変化を迫られており、国内でも多くの事業者が感染拡大予防のため全社的なテレワークの実施を進めている。
 株式会社セプテーニ・ホールディングス(以下「セプテーニ・ホールディングス」と略す)も例外ではなく、2020年2月下旬より全社員を対象としたテレワーク対応により感染予防を実施しており、同年8月31日現在においても本件は継続されている。全社員を対象としたテレワークの導入は、従業員のワークスタイルに大きな変化を加えるものであり、とりわけ20卒の新入社員については多くの社員が4月1日に入社して以降1度もオフィスに出社せず自宅で業務を遂行している状況下にある。つまり20卒新入社員は例年の新入社員と比較して、全く異質な環境下での職場適応に取り組んでいると言える。
 以上の背景を踏まえて今回のレポートでは、「入社して以降1度もオフィスに出社せずに職場適応期を過ごした」という特殊な状況の発生により、職場適応に求められる新入社員のパーソナリティや思考様式も変化したのではないかと考え、その可能性を定量的に検討する。具体的には、当該状況が発生する以前に入社し、入社後に対面環境で職場適応期を過ごした18卒・19卒(それぞれ2018年・2019年3月卒業、同4月入社)の新入社員と比べて、20卒新入社員はどのような個人の特徴が職場適応に繋がりやすかったのかについて分析を行う。これを通じて、彼らが現在経験している「完全テレワーク環境」が新入社員の職場適応に与えた影響について検証を行う。そして、テレワーク環境下で従業員、特に新入社員に求められる能力や適性についての考察を進める。

 

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