概要
新入社員と配属環境の定量的なマッチング
当社では、人材は「育てる」ものではなく、職場環境における良質な経験を通じて「育つ」ものだと考えています。つまり、良質な経験を得る上での最適な職場環境を提供するために、AIを活用し、個々に最適な職場環境を提供することで、人材育成の生産性を向上させています。
その考えをもとに、当社では新入社員と配属環境の定量的なマッチングを行うことで、新人育成を促進する取り組みを続けてきました。新入社員が早期に職場に適応し、パフォーマンスを発揮するための取り組みを行っています。
取り組み内容
FFS理論の関係性アルゴリズムと、独自傾向から相性を定量化
株式会社ヒューマンロジック研究所に協力を得て、FFS理論(※)で明らかとなっている関係性のアルゴリズムと、過去傾向より抽出した当社独自のアルゴリズムを掛け合わせることで、新人と配属先の相性をスコア化するシステムを開発しました。その後3年をかけ、アルゴリズムのチューニングを行った結果、現在では相性スコアと360度評価スコアの相関関係が確認できています。この技術により、新入社員をより相性の良い適応しやすいポジションに配属しています。相性スコアを算出するロジックには、「チームメンバーとの相性」「上司との相性」「トレーナーとの相性」を算出し、対象者と配属先の総合的な相性をスコア化しています。
※FFS(Five Factors & Stress)理論:株式会社ヒューマンロジック研究所が提供。人が意識的、無意識的に考え、行動するパターンを5因子とストレス値で計量することで、その人が保有している潜在的な強みを客観的に理解できる。
検証結果
マッチングによる360度評価スコアの向上を確認
2015年卒の新入社員を対象(対象者68名)に相性の有効性を検証しました。相性定量化ロジックを用いて「チームメンバーとの相性」「上司との相性」「トレーナーとの相性」を算出し、それぞれを配属対象者の相性スコアの平均値を基準に「○」「△」に区分し、配属から半年経過した10月度の360度評価スコアを「○」「△」ごとに平均して精度を検証しました。検証の結果、当社では特に「チームメンバーとの相性」が効果的に働き[1]、次いで「上司との相性」がプラスに働いていました[2]。
1:「チームメンバーとの相性」が良いグループの360度評価スコアの平均値が一方よりも0.4ポイント高い
2:「上司との相性」が良いグループの360度評価スコアの平均値が一方よりも0.2ポイント高い
関連情報
📄 セプテーニグループ デジタルHRガイドライン
「個人情報の取得と利用目的」
📄 Human Capital Report -No.20/2017.9.1
「定量的な相性スコアに基づく「相性配属」の検証結果」
📄 Human Capital Report -No.30/2019.04.26
「NPS®を活用した「活躍・定着」定量化の検証」
📄 Human Capital Report -No.17/2017.7.10
「360度マルチサーベイによる成長度合の測定方法に関する検証結果」